ハーモニックパターン検出インジケータV10とは?
今回ご紹介するのはハーモニックパターン検出インジケータV10という管理人も以前から気になっていたゴゴジャンで人気のインジケーターです。
まずハーモニックパターンについてですが、詳しい解説は私の手に余りますので他のサイトを検索して参照いただくとして、簡単に説明するとチャートに現れる2種類の波動(XAとAB=CD)を組み合わせた形を基本とするパターンで、5つの頂点の高さの位置関係が一定のフィボナッチ数による比率になっている場合に計測されます。
引用元:OANDA JAPAN https://trade.oanda.com/?language=ja
上はハーモニックパターンの一つ「ガートレー」ですが、X→Aの波動から始まって、今度はそのAを起点としてA→B、B→C、C→Dの波動(AB=CD)が続いています。
この二種類の波動の組み合わせがハーモニックパターンの基本ですが、X-AからのBへの戻しの比率(ガートレーは61.8%)、ABからCへの戻しの比率(同38.2%~88.6%)、XからDの高さの戻しの比率(同78.6%)など細かく定義されたフィボナッチの数値の違いによって様々なパターンが生じます。
そしてこの基本形となる二種類の波動の頂点のうちXAB-BCDという頂点を結んでできる横に並んだ二つの三角形の見た目の形やパターンの発見者の名前にちなんでバット(BAT)、ガートレー(GRT)、バタフライ(BTT)など様々な名称のパターンが存在し、今日でも研究され数も増え続けているらしいです。
で、一番重要なのは、この二つ並んだ三角形の右端のD点が波動の終息=トレンド転換のサインを示すものとされてる点です。
ハーモニックパターン検出インジケータV10はこのハーモニックパターンを自動で検知しチャートに描画してくれる上に、エントリーポイントや利確損切のポイントまで教えてくれるという、凄いツールです。
つまり、このツールはハーモニックパターンを検知、描画することで、トレンドの転換点を視覚的にも分かりやすく教えてくれるというわけですね。
ハーモニックパターン検出インジケータV10でできること
検知してくれるパターンは基本となる4つのパターン(バット(BAT)・オルトバット(ABT)・ガートレー(GRT)・バタフライ(BTT))から派生パターンまで全15種類があり、さらにCSVファイルの修正で自分で形状を定義して追加していけるようにもなっています。
描画されるハーモニックパターンは赤色が売りサイン、青色が買いサインです。
上記画像は豪ドル円の1時間足チャートですが、赤色(売り)のガートレー(ABT)が出現していて、確かに右上のD点あたりから少しもみ合って下落に転じてますね。
左上隅に灰色の小窓がありますが、ここから15種類のパターンのうち指定のパターンだけを検知できるように設定変更できるほか、右側に表示されるエントリー・利確・損切ラインの表示のオンオフ、同ラインのフィボナッチ数値or価格表示の切り替え、ハーモニックパターンの描画や予測機能(後述)のオンオフも簡単にできます。
その右側に表示されるラインですが、トレンド転換の目安となるD地点は黄色のライン、緑がエントリーの目安となるライン、上方の薄いピンク色が損切の目安ラインで、青のラインが利確目安のラインです。
このライン表示があることでハーモニックパターンによるトレードもかなりスムーズにできるようになっています。
それからこのV10にはV9までには別売りとなっていた予測機能も付いています。
予測機能をオンにすると上記画面の右隅に出現が予測されるパターンとその際のレートが書かれたライン(上画像の右下隅「GRT 71.305 」)が表示されることがありますが、そこをクリックすると、未来に完成が予測されるパターンを描画してくれます。
下の画像は既に完成したパターンの隣に予測のパターン(青色)を表示させたものです。
ちなみにハーモニックの検知、ターゲットラインの通過、予測ラインの変更によってアラート機能やメール送信機能も付いていますので、忙しい場合は画面に張り付いておく必要もないですね。
正直ハーモニックパターンを自力で見つけ出してチャートにラインを引いたりするのは、ある程度ハーモニックパターンを学習し、フィボナッチリトレースメントやエクスパンションを使い慣れていたとしても、なかなか難しい作業ではないかと思います。
しかしこのツールは1枚のインジファイルをMT4にセットするだけでその作業をショートカットしてくれた上に、これだけの情報をチャート上に分かりやすく描画してくれるため、トレンドの終息(=転換点)を知って逆張りでエントリーしたいという人には願ってもない魅力的なツールになっているのではないかと思います。
実際に使えるのか?
このハーモニックパターンは欧米ではかなり人気のインジケーターだと聞きますが、最近はこの検知ツールのゴゴジャンでの人気にも表れているように、日本で使用する人も増えてきているようです。
私はまだ使いこなすまでになってませんし、まだこのインジの威力を実感するところまではいってないですが、トレンドの転換点はトレーダーなら誰でも知りたいところだと思います。
仮にDポイント付近でのエントリーが上手くいくようなら、損切は浅く利確は深く狙えるので、多少勝率が低くなっても利益は増えていきますね。
ただ確かにD点からの反転がきれいに起こることもありますが、例えば下のように全く機能しないこともあります。
ですので、例えばこのツールだけに頼って、日足チャートに買いのバットが出現したから"よっしゃ今日は下げトレンドが上げに転換する、買いだ!"と判断して逆張りでトレードするのは危険です。
どんなインジケーターでも一時的に勝てたとしても、それ単体で判断してトレードしているとほぼ必ずトータルで負けてしまいますし、このインジにもそれは当てはまるように思います。
しかしD地点が強いレジサポラインやボリバンの2σ付近、RSIの買われ過ぎ売られ過ぎのサインなど他の反転の根拠と同時に現れた場合は、なかなか強力な転換ポイントとして機能するように思います。
ですのでそれを逆張りメインのインジで使うにしろ、押し目や戻りのサインに使うにしろ、他のインジの根拠と合わせて使うのが効果的ではないかと思います。
個人的には日足や週足の長期足のトレンドを別インジで判断しつつ、押しや戻りを下位足(例えば4時間足や1時間足)で判定する際の根拠として使っていきたいと思っていますが、まだこのインジの効果的な使い方について結論は出ていません。
ただゴゴジャンのレビューを見ても評価が高いですし、ハーモニックパターンの検知や予測の機能については精度が高く優秀なインジではないかと思います。
ちなみに今回のV10ではリミット版や月額購読版も用意されていますので、ニーズに応じた選択も可能です。
ということで今後もこのインジは使っていきますので、効果的な使い方や使ってみて気付いたことがあれば、再度当ブログに書いてみたいと思います。