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Forex Tester 4とは?
今回は裁量トレードの練習用ソフトウェアForex Tester 4(FT4)をご紹介したいと思います。
このソフトウェアは、カナダのForex Tester Software, Incが開発したFX裁量トレードの練習用ソフトウェアで、14年以上の販売実績があり、世界中で5万人以上のトレーダーが使っているという人気のロングセラーソフトです。
一応こういうソフトを使ったことがない方のために簡単に説明しておくと、過去の相場のデータをもとにMT4のような動くチャートを画面に表示させ、MT4でのリアルトレードさながらに裁量トレード(の練習)を行うことができます。
そして使ったことのある方なら分かるかと思いますが、数ある同種の製品の中でもピカイチ、管理人的には最高水準のFX練習用ソフトではないかと思うのがこのFT4です。
なお「4」と付いていますが、バージョンアップを繰り返してきており、このForex Tester 4が最新版で、当然ながら最も進化したバージョンになっています。
特徴は?
ではこのFT4では一体どんな特徴があって、何ができるのか?
まずは簡単に特徴を並べてみます。
・他の練習ソフトのようにMT4のストラテジーテスターを使用しない独立のソフトウェア
・MT4に近い環境でデモトレードが可能
・他の練習ソフトにないチャート生成途中での巻き戻しがローソク足単位で可能
・細かいスピード調整が可能
・成行・指値・逆指値・OCO・IFDOCO・トレーリングなど多様な注文方法が選択可能
・7つの主要通貨ペア、32のクロス通貨ペアに加え、先物、メタル、暗号通貨、インデックス、株式など最大800以上の銘柄が選択可能(※Standard、Vip)
・18シンボル、18年以上の無料のデータを入手可能、さらにStandard以上なら12のブローカーのデータが選択でき、Vipならtickデータまで入手可能
・ブローカーのスプレッド、手数料、スワップポイントの設定が可能
・変動スプレッドが使用可能(※Vipデータのみ)
・過去ニュースが再現可能(※購入タイプにより対応通貨ペアに制限あり)
・夏時間を適用することが可能
・複数の時間足チャートを同時にシンクロさせてスクロールすることが可能
・複数の時間足チャート上に同時にラインや十字カーソルを反映させることが可能
・プロジェクト(通貨ペア、ブローカーデータ、時間足、インジケータ等の条件)ごとに保存、再スタートが可能
・多数のインジケーターがデフォルトで使用可能(※更新あり)
・MT4 to FT4 ConverterによりMT4用(.MQ4形式)のインジケーターをFT4用(.dll形式)に変換して使用することが可能
・ビジュアルストラテジービルダー(※無料のEA作成ツール)で作成したEAのバックテストが可能
・注文時にリスク計算に基づいた自動ロット算出が可能(現在の自己資本、リスクパーセント、ストップロス、ポイント値に基づいて算出)
・損益の値をピップスとお金の両方の単位で表示することが可能
・日本語表示にも対応
・その他多数の機能あり
バージョンアップ前からある特徴(機能)もFT4で追加されたそれもごっちゃにして書き並べましたが、まあ正直機能や特徴を並べてたらきりがないぐらい豊富にあります。
しかし基本的な使い方はシンプルで、
①ソフトウェアをインストールして起動
②データセンターからヒストリカルデータをダウンロード
③「プロジェクト」を開いてトレード
という3つのプロセスだけです。
そしてFT4が提供するこのトレード環境が、上記のように複数時間足での同時スクロール、スプレッドや手数料、スワップ、インジケータ、フィボナッチなどのツールや各種ライン、過去ニュースまで再現できるようになっているため、実際のMT4のリアルトレードの環境に非常に近くリアルです。
また、他の練習ソフトやデモトレードとは違って、チャートがスクロールしてしまった後でも簡単に巻き戻せますので、チャートのポイントとなる場面を繰り返し確認できますし、この機能だけでもFT4を使う価値があると言えます。
またプロジェクトをPCのファイルのように保存したり呼び出して再開したりできるので、同じ条件下で繰り返し練習したい時にも便利です。
とにかくこのFT4というソフトウェアは、リアルな環境でトレードの練習ができ、ユーザー側で欲しいと思う機能は大概揃っていると考えていただいてよろしいかと思います。
それぐらいの高水準のFX練習用ソフトウェアです。
ニーズに応じて3種類のデータが選択可能!
ForexTester4にはBasic、Standard、Vipの3種類のデータが用意されており、データの質と量に違いがあります。
Basicは1分足レベルのデータで、利用できるはForexiteというブローカーの1社のみ、通貨ペアは18(金、銀含む)、無料ですが最新データを更新できるのは毎月1回となります。
これに対しStandard、VipについてはForex.com、FXDD、alpariなど利用できるブローカーは12社、通貨ペアは831、有料ですが毎日データも更新され、さらにVipについてはティックレベルでのデータがダウンロードできます。
またStandardとVipについては月間アクセス権、年間アクセス権、生涯パッケージをFT4購入時に選択できるほか、データのみを追加で購入することも可能です。
ですので最初はBasicデータのみを購入し、更にデータの質や量をグレードアップしたければStandardやVipのデータのみを追加購入すればよいし、StandardやVipのデータを月間利用で使ってみて価値があると判断したら生涯パッケージを追加購入するということもできるわけです。
それぞれのデータの特徴を簡単にまとめてみましょう。
Basic(無料) | ・18の通貨ペアデータ(16通貨ペア+金・銀)
・毎月データがダウンロード可能 ・米ドルの過去ニュースが入手可能 ・選択できるブローカーは1社のみ(Forexite) ・1分足データに対応 |
Standard(有料) | ・800以上の通貨ペアデータ(メジャー、クロス、エキゾチックの通貨ペアに加え、先物、メタル、暗号通貨、インデックス、株式など)
・毎日新しいデータが追加 ・選択できるブローカーは12社(FXDD、alpari、Forex.comなど) ・1分足データに対応 |
Vip(有料) | ・800以上の通貨ペアデータ(メジャー、クロス、エキゾチックの通貨ペアに加え、先物、メタル、暗号通貨、インデックス、株式など)
・毎日新しいデータが追加 ・選択できるブローカーは12社(FXDD、alpari、Forex.comなど) ・1分足データのほかティックデータにも対応 ・変動スプレッドに対応 |
私は今のところBasicデータを利用していますが、利用可能なForexiteのデータのクオリティは「中程度」とのことです。
ただ1時間足などでデイトレやスイングトレードが中心という方の場合は、Basicでも毎月無料で更新できますし、十分使えるかと思います。
一番クオリティの高いデータはやはりVipで、特にスキャルピングなど、1分足や5分足などの短い時間足で取引するという場合は、ティックレベルまで再現できるこのデータが一番良いのではないかと思います。
ティックレベルのデータであればひげの形状などもリアルデータさながらに再現されますし、より実戦に近い状態でスキャルピングの練習も可能になるはずです。
そういうわけでデータに関しては、自分の手法(スキャルピングorデイトレ、スイング等)、普段取引している通貨ペアや商品の種類、利用するブローカー、予算、求めるデータの品質等に応じて、自分に合ったデータを選ぶのが良いのではないかと思います。
実際に使ってみた!
使い方等の基本的な解説については、公式サイトに移動して日本語表示にした後、「ご使用方法」⇒「ビデオチュートリアル」で進んでいただくと、インストール方法からデータの取得方法、基本的な使い方まで15の日本語音声付動画で見て学ぶことができますので詳しくはそちらを参照していただくとして、ここでは簡単に開始手順を見ておきましょう。
①まずはインストールが済んでいるものとして、FT4を起動後、データセンターからヒストリカルデータをダウンロードします。
その際、購入したデータの種類に応じてブローカーや通貨ペアの制限がありますので、選択できるものから選ぶ必要があります。
②次に新規プロジェクトを立ち上げます。プロジェクトで利用する通貨ペアとテストの期間、テストクオリティ(購入したデータに応じて選択)を決めます。
セッションクローズタイム(ここではブローカーのサーバー時間を日本時間に調整「冬時間+2」)、テスト開始期間を選んで作成ボタンを押すと、チャートが開きトレードがスタートします。
③最初に1分足のノーマルなチャートが表示されます(※後でカスタマイズしたチャートをデフォルトに変更可能)が、時間足はMT4と同じように変更できます。
普段使用している時間足チャートに変更したり、複数の時間足チャートを入れたり、チャートにインジケーターを入れたり、ラインを引いたり、手数料やスワップの設定を行ったりします。
ここではチャートに右クリック→「インジケーターを追加」から、GMA(EMA12本)とMACDとRSIを表示させてみました。
表示させたチャートはMT4同様テンプレートとして保存して、新規のチャートにも適用できます。
ただし時間足も保存した時間足と同じでないと適用されません。
実際に使ってみての感想
さて実際に使ってみての感想ですが、正直以前使っていた日本製の練習ツールはなんだったのか、、というぐらいレベルが違ってました。
ノートPCで動かしても動作はさくさくですし、MT4に非常に近い環境なので、MT4で実際にトレードするのと遜色ないです。
特に複数の時間足のチャートを同時に立ち上げると、チャートがシンクロしてスクロールしていきますので、普段MT4で複数の時間足チャートを立ち上げてトレードしている人ならそれと同じような感覚でトレードができます。
不満と言えば、テンプレートを保存しても時間足に縛られて他の時間足に適用できないという点ぐらいでしょうか。
MT4ではテンプレートを保存すれば時間足関係なく適用できるので、ここは是非改善して欲しいですね。
あとインジケーターは今のところFT4に標準装備されているものしか使っていませんが、一応外部のインジファイル(.MQ4)をFT4用のファイル(.dll)に変換して使うこともできるということになっています。
ただ現時点ではこの機能は完全ではなく、うまく変換できないということもあるらしいので、その点の評価は今後FT4のチャートがどの程度カスタマイズできるか試してからにしたいと思います。
まだ使い始めて日は浅いので、今後他にも細かいところで気になる点も出てくるかもしれませんが、逆に機能の豊富さに驚かされることも増えてきそうです。
まとめ
FXが上達するコツはとにかく練習を重ねることだと思います。
いやFXに限らず語学でも料理でもなんでも、経験を積むことでしか上達しないものは多いです。
よく「1万時間の法則」という"本物”になるために必要な時間の話を耳にしますが、FXも例外ではないでしょう。
しかしFT4についてはスピード調整でその時間を大幅に短縮してくれるはずですし、効率よくFXを上達させていくための必須のツールではないかと思います。
今回詳しく紹介できなかった細かい機能や特徴については今後ブログでもピックアップしていこうかと思っていますが、個人的に気になっているのはEAのバックテスターとしての機能。
現在ベータ版が公開されているVisual Strategy Builderで直感的に作成したEAをそのままFT4用ファイルに変換してバックテストができます。
何でも複数のEAを同時にバックテストしたり、裁量トレードとの同時バックテスト、パラメータを途中で変更してのバックテストなど様々なことができるようです。
まあこちらは「FX自動売買」の方でとりあげてもいいですが、まだ使い方もよくわかってませんので、いずれご紹介できればいいかなという感じです。
ということでMT4に近いリアルなトレード環境でトレードの練習が可能なこのFT4、大変便利で素晴らしいソフトですので、当ブログとしては今後も追いかけていこうと思います。