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【投資本レビュー】『マーケットの魔術師』

今回はジャック・D・シュワッガー著『マーケットの魔術師』について書いてみたいと思います。

この本は世界的ベストセラーかつ投資関連の本の中でも古典的名著で、日本でも2001年にパンローリン社から初版が出ていますので、既に読んだという方も多いと思います。

私もけっこう前に読んで面白かったという印象があるんですが、具体的にFXなんかのトレードの手法が学べるというよりも、より一般的に株や先物も含めたトレーディング投資を行う上での心構えを学べる本だと思います。

株や為替、先物の世界で有名なプロのトレーダー16人にインタビューしているんですが、各トレーダーの経歴や成功体験、大きな失敗やそこから学んだこと、初心者へのアドバイス等々、興味深いエピソードや投資哲学が多く語られています。

有名どころだと、あのジム・ロジャーズ(ジェームス・B・ロジャーズ・ジュニア)なんかのインタビューもありますし、クォンタムファンド時代のジョージ・ソロスとの役割分担の話なんかが触れられてたりします。

この本は古典ですし、投資の格言みたいな言葉が多くでてきますので、トレードが上手くいかないときや、気分転換に拾い読みみたいに読むのもいいかもしれません。

けっこう今では当たり前みたいになっている言葉もありますが、やはり結果を出している有名トレーダーの言葉は重みが違います。

そんな数々の言葉の中から気になった言葉をいくつか引用してみましょう。

トレードは孤独なものだから、自分で勉強しろというのが僕のアドバイスだね」(マイケル・マーカス)

多くのトレーダーに言えることだけど、彼らは市場を個人のものだと考えてしまいがちで、自分を中心にして市場が成り立っていると考えてしまう」(ブルース・コフナー)

トレードをするのにどんな方法を使うにしても、一番重要なことは、もし大きなトレンドがあるならば、そのアプローチによって確実にトレンドに乗っていなければならないということだ」(リチャード・デニス)

カネ儲けに執着するな。自分が手にしたものを守ることに執着せよ」(ポール・チューダー・ジョーンズ)

年をとったトレーダーはいる。大胆なトレーダーもいる。しかし、年をとって大胆なトレーダーは非常に少ないものだ」(エド・スィコータ)

トレード、そして人生にも勝つための基本的なルールが二つある。一つは、賭けなければ、勝つこともない。もう一つは、すべてのチップがなくなれば、もう賭けることはできない」(ラリー・ハイト)

良いトレードとは、自分のアイデアを追い続けていく信念と間違いを認める柔軟性の間の微妙なバランスで成り立っているのです」(マイケル・スタインハルト)

唯一の最も重要なアドバイスは、自分のミスから学べだ。これがトレーダーとして成功する唯一の道だ」(デビット・ライアン)

私が勝てるトレーダーになれたのは、「自尊心なんてクソくらえ。金儲けの方がもっと大事だ」と言えるようになったからだ」(マーティ・シュワルツ)

古くから言われている相場の知恵などには決して従ってはいけない。相場の逆を行くことを学ばなければならない」(ジェームス・B・ロジャーズ・ジュニア)

とまあ、なるほどと頷かされるような言葉ばかりですね。

どの言葉も彼らのトレード体験から導かれてきたものばかりなので、そこら辺の受け売りの言葉とは輝きが違います。

本文を読めばそのあたりのいきさつも含めて理解できますし、どのトレーダーのエピソードも面白いものばかりですので、読んでない方は是非一度読んでみてはいかがでしょうか。

なお第二弾の『新マーケットの魔術師』や第三弾の株式編、第四弾の『続マーケットの魔術師』、さらには別著者による同名インタビュー集もあるようなので、いずれ読んでみたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

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