この本は著名な個人投資家のしろふくろうさんが書かれた本で、タイトルどおり、ピボット(特にフィボナッチ・ピボット)についての解説本です。
AutoPVリリース前から知ってましたが読んでませんでしたので、今回読んでみました。
トレードにおける確率論の重要性を説きつつ、ピボットについての基本解説、膨大なデータから抽出されたフィボナッチ・ピボットの各ラインに到達する確率データ、ピボットラインを使った基本的な逆張りトレード手法、しろふくろうさん独自の応用的なトレード手法等の内容となっています。
中でもPART2で紹介されるピボットの各ラインに到達する確率データは圧巻です。
6通貨ペアの日足と週足のフィボナッチ・ピボットについて、ピボット・ポイント、レジスタンスラインR1~R4、サポートラインS1~S4への到達率が、いくつかの条件別に紹介されています。
10年前の本ということで、データ自体はやや古いものの、日足1000本、週足500本をもとに検証されたデータは、ピボットトレーダーにとってはなかなか参考になるのではないでしょうか。
またPART4以降のピボットの応用手法については、R1~R2(S1~S2)、R3~R4(S3~S4)をゾーンとして捉えてトレードする手法や、n期間のピボットおよび高値安値の単純移動平均を組み合わせてトレードする「トレンドステップ」手法、さらにはリスクとリターンをピボットの各ラインに到達する確率と組み合わせて評価する「最適リスク・リターン」の考え方等が解説されています。
個人的には特に「トレンドステップ」手法と「最適リスク・リターン」の考え方が参考になりました。
200頁以上ありますが、分かり易く書かれていて読み易いですし、日本人によるピボット解説本というか翻訳も含めピボットに的を絞って書かれた解説本自体が少ないので、その意味では貴重な本かもしれません。
(フィボナッチ)ピボットを既に使っているという方は勿論、これから使ってみたいという方、あるいはFXに確率の要素を取り入れてみたいという方も読んで損はない本だと思います。