OwnersBookとは?
昨今「クラウドファンディング」という言葉がニュースを賑わせることも少なくありません。
クラウドファンディング(crowdfunding)とは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、2000年代にインターネットの普及を背景に米国で始まった資金調達方法です。
モノやサービスの販売、新規事業の立ち上げや、社会貢献度の高い寄付、文化遺産の修復事業など、様々な理由で世界中の人達からネット上のプラットフォームやSNSを通じて事業者(起案者)が資金を調達する手段として広く認知されるようになってきました。
タイプ的には資金や事業者(起案者)による支援者へのリターン(特典)の違いによって、「購入型」「寄付型」「貸付型(ソーシャルレンディング)」「株式投資型」「ファンド型」「ふるさと納税型」に区分けされます。
参考:https://camp-fire.jp/academy/articles/article-1#topic-0
そして今回ご紹介するOwnersBookはこのうち貸付型のクラウドファンディングをメインとする、資金調達(借入)したい企業と支援(投資)したい投資家をつなぐ役割を担うサービスになります。
貸付を行う企業はマンションや商業ビルを保有する不動産会社がメインとなっており、そのため「不動産特化型クラウドファンディングサービス」と表現されています。
おおまかには下図のように投資家がOwnersBookへ投資し、OwnersBookは企業に貸し付けを行い、企業からの返済(元本と利息)を配当として投資家に分配する仕組みです。
運営企業は上場企業の100%出資子会社
このOwnersBookは2014年に運用開始されたサービスで、運営する企業はロードスターインベストメンツ株式会社。
東証プライムに上場しているロードスターキャピタル株式会社の100%子会社になります。
不動産金融のスペシャリストが担保不動産を評価
OwnersBookでは資金を貸し付ける際に、全案件で不動産を担保にして債務不履行に備えています。
しかし貸付先が債務不履行になった時に、担保不動産の売却等で得た回収金額が投資元本を下回った場合は、投資家に損失が発生してしまいます。
そこでOwnersBookでは不動産のプロ集団によって、厳格に担保不動産の評価が算定されています。
まず運営メンバーは投資銀行・投資ファンド・アセットマネジメント会社等で証券化をはじめとする不動産金融業の最前線で長年キャリアを積んだ不動産実務のプロフェッショナルです。
そうした専門家によって全貸付案件で不動産担保が評価されます。
しかも社内と社外の専門家による二重のチェック体制。
さらに担保の掛け目はOwnesBookの評価額の80%です。
例えば、1億円の評価額の担保不動産に対しては8,000万円が貸付の上限となっています。
このように、貸付案件に100%不動産担保を取り、しかも会社内外の専門家による厳格な評価がなされた上で、担保評価額の80%までの貸付ということになっています
したがって、貸付案件の選択は厳格で、債権(貸付)の貸し倒れリスクはかなり低減されていると言えるのではないかと思います。
投資利回りとメリット
では投資する側が一番気になる利回り(収益率)はどの程度か?
OwnesBookの予定年利回りは3.0%~5.0%となっています。
もしかするとFXや株をやっている人からすると物足りない利回りかもしれません。
しかし考えてみてください。
既述の通り、OwnesBookの全貸付案件がプロによる厳しい審査を通過した不動産担保が設定され、貸し倒れリスクがかなりの程度低減されているわけです。
ちなみにこの記事を書いてる段階でOwnersBookの投資実行済案件数246件のうち元本割れ件数は0件、償還遅延が1件あるだけとなっています。
ですので、ほぼ貸し倒れリスク0%(に近い)案件への投資でこの利回りということになりますね。
例えば今現在、都市銀行の定期預金だと10年でも年利は0.01%未満、個人向け国債でも5年固定で0.1%未満です。
そう考えると、この手堅い条件の下でこの利回りはかなり魅力的ではないでしょうか。
またOwnesrBookの貸付型案件は1万円から投資が可能ですので、資産運用のリスク分散先として小額からの投資が実行できます。
また株やFX(為替)と違って日々の値動きがないというのもメリットです。
言い換えれば景気に左右されにくい投資ということが言えるでしょう。
デメリットは?
しかし勿論デメリットもあります。
確かにここまで元本割れ案件はないようですが、元本保証はありません。
貸付先が倒産し、債権(貸付)が回収できず貸し倒れになるリスクはゼロではありません。
また、投資実行後は投資家は途中解約や第三者への譲渡ができません。
貸付先から元本が返済されるまでは、出資金は回収できないということです。
さらに貸付先企業が財務状況・信用状況等の影響で配当や出資金返還が遅滞する場合や、期限前に弁済されることにより当初予定の利子総額下回る場合もあります。
個人的には期限前償還済み案件が意外と多いのが気になるところではあります。
それとリスクとは異なりますが、案件への申し込みが「先着方式」の場合(※抽選方式もあり)、人気の案件だとアクセスが集中して繋がらないまま枠が埋まってしまったといったケースもあるようなので、そうした点は事前に理解しておく必要がありそうです。
エクイティ型案件とは?
案件の数は非常に少ないですが、OwnersBookでは貸付型の案件のほか、「エクイティ型」の案件というものもあります。
これはクラウドファンディングで集めた資金を使い、単数または複数の特別目的会社(SPC)を経由して不動産信託受益権や出資持分等を取得、投資家は物件の運用中の賃料収入や運用資産の売却による売却益をOwnersBookから配当として受け取るという形の案件です。
貸付型案件と比較すると、賃料収入や売却益を配当原資とする点でこちらの方がより本来の不動産投資の形に近く、REIT(不動産投資信託)にも似ています。
ちなみに案件数はこれまで国内と海外合わせて2件だけですが、いずれも利回りは10%を超えており、今後このタイプの案件が出てきたらかなり注目度は高くなりそうです。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000015446.html
投資までのステップは?
最後に登録から投資実行までの流れを見てみましょう。
①アカウント登録・・・登録にはメールアドレスが必要です。住所、氏名、出金用の銀行口座等の情報を登録します。
⇩
②本人確認・・・スマホかハガキ受け取りで本人確認を行います。いずれも免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要になります。
⇩
③入金・投資実行・・・専用口座に入金後、案件申し込みが可能に!
まとめ
以上OwnersBookについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
株やFX、暗号通貨で年利数十パーセントを追いかける投資家(投機家)層には物足りない案件かもしれませんが、この低金利の時代にかなりの低リスクで年利3%~5%を得られる可能性が高い案件ということで、人気が高くなっているのも事実です。
上場会社の100%子会社による運営による信頼性、内外の専門家による厳格な不動産担保評価、評価額の80%までを上限とする貸付などの貸し倒れリスク低減の仕組み等、貸付型のクラウドファンディング投資ジャンルの中でもかなり安心度の高い水準になっているかと思われます。
通常不動産への投資となると資金力も必要になる分野ですが、「クラウドファンディングを利用し、複数の個人投資家と一緒になって投資を行うことで、その不動産のオーナーと同様な立場を、1万円からの投資で実現していただくことを目指しています」(公式サイト)とあるように、1万円からの投資で不動産分野への投資を始められるのも魅力です。
他の投資分野とのリスク分散や不動産への投資に関心があるという方は、是非一度このOwnersBookについて検討してみてはいかがでしょうか。