目次
クラウドクレジットとは?
今回は海外案件に特化した貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)のクラウドクレジットについてご紹介したいと思います。
クラウドファンディングにはいくつかジャンルがありますが、この「貸付型」のクラウドファンディングというのは、資金調達(借入)したい事業者と支援(投資)したい投資家とを繋ぐクラウドファンディングサービスになります。
事業者側からすると銀行から借入するよりもより柔軟な資金調達方法となり、投資家側からすると投資に対する対価として利息収入を得られるというメリットがあります。
当ブログでは以前同じ貸付型のクラウドファンディング投資としてOwnersBookを取り上げましたが、こちらは国内案件がメインとなっていました。
これに対してクラウドクレジットは海外の成長国で事業を営む企業に特化した案件が特徴となっています。
日本国内では株式や投資信託などへの投資を行う環境が整備され個人投資家が投資を行う機会が増える一方、ゼロ(マイナス)金利政策が常態化し、金利への投資機会が限られています。
そうした状況下で海外に特化した貸付型クラウドファンディングに目を向ける投資家も少なくないようで、クラウドクレジットが蘇生したファンドへの累計出資金額は500億円を突破(2023年6月末現在)、累計登録者数は5万人を超えています(2021年2月末時点)しています※。
※クラウドクレジット株式会社・公式サイトより
以上のように海外案件に特化した貸付型クラウドファンディングというのがクラウドクレジットの大きな特徴となるわけですが、以下ではもう少しその特徴や詳細を見ていきたいと思います。
特徴その1 株価に左右されにくい高利回りへの投資
まず貸付型のクラウドファンディングの一般的な特徴とも言えますが、クラウドクレジットは株価に左右されにくい投資サービスです。
投資家が融資先である企業や個人から利息を得られるという仕組みですので、株式市場の動きに左右されにくくなっています。
得られる金利収入の表面利回り(年率/税引前)は2023年度を見ると5.3%~12.1%となっています(2023年1月1日~2023年6月30日の販売実績)※。
※クラウドクレジット株式会社・公式サイトより
預金や国債、社債と比較してもかなりの高利回りとなっていますので、低金利時代の日本ではもっと注目されていい投資janだと言えるかもしれません。
画像引用:クラウドクレジット株式会社・公式サイトより
特徴その2 複数通貨に分散投資が可能
上記のようにクラウドクレジットは海外の成長国で事業を営む企業に特化したファンドを取り扱っていますが、各ファンドはその国の通貨をはじめ、ドル建てや円建て、ユーロ建てでの募集となっています。
したがって異なる通貨建てで複数のファンドに投資することができますので、分散投資に適しています。
特徴その3 1ファンド1万円からの投資が可能
「異なる通貨建てで複数のファンドに投資」と書きましたが、1ファンドへの最低投資金額が高ければ分散投資は難しいという方も多いと思います。
しかしクラウドクレジットの最低投資金額は1ファンドあたり1万円ヵら。
例えばドル建て4ファンド+ユーロ建て3ファンド+円建て3ファンドに各1万円ずつ合計10万円を分散投資するといったことも可能ですので、リスクを抑えた分散投資の効果も狙えます。
特徴その4 投資を通じた社会貢献が可能な「社会的インパクト投資」
クラウドクレジットが積極的に推し進めている海外案件の特徴としては、社会的課題の解決に取り組む企業や領域に投資し経済的なリターンと社会的なリターンの両立を実現しようとする「社会的インパクト投資」の性格を備えているものが多いという点が挙げられます。
例えば「社会的インパクトファンドの事例」として下記のものが紹介されています。
クラウドクレジットの「メキシコ女性起業家支援ファンド」はメキシコのマイクロファイナンス機関である SOFIPA 社への貸付を通じ、同国の女性の経済的および社会的地位向上に寄与することを目指しています。
具体的には、クラウドクレジットから届いた資金はSOFIPA 社を通じ、衣類販売の起業家やフルーツ・野菜販売の起業家、縫製業の起業家などへの融資に充てられています。
引用:クラウドクレジット株式会社・公式サイトより
上記引用文の続きには、縫製業を手伝う女性がSOFIPA社からの貸付資金をもとに工業用縫製ミシンを購入して受注を増やし、自身の縫製所を建てて売上を4倍に増やしたという具体例が挙げられています。
このようにクラウドクレジットの案件に投資することで、世界中のお金を必要とする国や地域に資金が流れ、経済的社会的課題の解決に貢献することも可能です。
ファンド組成のプロセス
クラウドクレジットは、海外の案件をファンドという形に組成して、投資家への商品として提供しています。
おおまなかな流れとしては①海外貸付先候補の開拓(初期コンタクト)、②財務諸表分析や登記情報、税制といった視点からの審査(案件審査)、③貸付先候補との条件交渉、④現地訪問や投資インフラの整備(販売準備)、⑤ファンドの販売となっています。
画像引用:クラウドクレジット株式会社・公式サイトより
手数料
手数料の主なものとしては、預託金口座に入金する際の銀行振込手数料のほか、以下のものがあります。
◎クラウドクレジット株式会社(取扱者)が受領する手数料
・預託金からの払い戻し手数料
⇒月(1日~月末)1回までの払い戻しは無料。2回目以降は1回につき756円(税込)
◎クラウドクレジット・ファンディング合同会社(営業者)が受領する手数料
・営業者報酬(運用手数料)
⇒初出資金額に一定の率(1.0%、2.0%など)を掛けた営業者報酬。ファンド毎に異なる。
・契約解除手数料
・契約解除に伴い払い戻し金額の算定に必要な時価評価の費用が発生した場合の費用
・出資持分の譲渡手数料
この中でメインの手数料としては「営業車報酬(運用手数料)」になるかと思いますが、ざっと案件を見た感じでは1%台後半から3%前後までのものが多いようです。
リスクは?
公式サイトに記載されているリスクとしては以下のものがあります。
◎ローンとしてのリスク
・元本割れが生じる (投資金額より少なくなる)リスク
・貸付先の返済が遅れるリスク
・途中解約や株のように他の人に売ったり出来ない
◎海外投資のリスク
・為替の影響でマイナスになるリスク
・投資先の国の政治・経済の状況が変わるリスク
・法や制度が変わることに伴うリスク
通常のローンリスクに加えて海外案件への投資独自のリスクも加わるという点は、十分理解しておく必要がありそうです。
なお公式サイトでは「満期時運用レポート」のほか、「運用状況のご報告」「ファンド別運用状況」が公開されています。
またno+tでは「マンスリーレポート」「年次報告」なども公開されていますので、実際に投資を行う前にこれらの情報にアクセスした上で、十分なリスク把握に努めておくことが重要かと思われます。
まとめ
国内では株や投資信託への投資が拡大する一方、ゼロ金利、マイナス金利政策が継続する中で利息収入を得られる投資機会は多くありません。
その意味で海外の事業に投資して高い利息を得られるクラウドクレジットの貸付型クラウドファンディングは魅力ある選択肢を提供していると思います。
ただし返済遅延などのローンリスクリスクのほか為替などの海外リスク要因もあるため、ミドルリスクミドルリターンのやや中上級者向けの投資と言えるのではないでしょうか。
他方で1万円から複数の通貨建てのファンドに分散投資することもできますので、リスクを抑えつつ投資することも可能です。
加えてクラウドクレジットでは「社会的インパクト投資」の促進にも積極的で、投資家はファンドへの投資を通じて社会に貢献することもできます。
株や投資信託だけでは物足りないという方、リスク分散として別ジャンルの投資を検討中の方、投資を通じて社会貢献をしたいという方は一度検討してみてはいかがでしょうか。