はじめに
少し前に金融庁の「資産運用シミュレーション」とそれによる「老後資金2000万円」についての試算に関する記事を書きました。
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金融庁の「資産運用シミュレーション」で試算!その1 新NISAを使って年利〇%で毎月〇万円の積立投資をやってみたらどうなる?
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金融庁の「資産運用シミュレーション」で試算!その2 新NISAの積立投資で老後資金2000万円を貯めるには?
果たして老後資金が公的年金以外にいくら積み立てで必要になるのか、「2000万円」で十分足りるケースもあれば、全然足りないというケースもあると思いますし、そこは様々。
原則65歳から受け取れる公的年金は、国民年金加入者なら平均で月額約5.6万円、厚生年金加入者なら平均で約14万円となっているようですが、老後の生活水準をどの程度にしたいかによって、「不足額」もかなり変わってくるはずです。
参考 https://moneiro.jp/media/article/savings-for-retirement
一つ言えることは、身も蓋もない言い方かもしれませんが、老後資金はあればあるだけいいということだと思いますし、できれば「不足」よりも多い額を蓄えて、“豊かな老後”を目指したいという人も少なくないのではないでしょうか?
そこで前回の「新NISAの積立投資で老後資金2000万円を貯めるには?」の続きで、ある程度豊かな老後が実現できそうな分かり易い積立投資の目標金額として、「5000万円」「1億円」とし、その運用シミュレーションをやってみました。
5000万円の老後資金を積み立てるには?
条件は前回と同じで、新NISAを活用し、複利で投資信託の積立投資を行っていくものとします。
また積立額は月額3万円、5万円、7万円、10万円、年利は3%、5%、7%、10%、15%で実施しました。
◎毎月の積立で5000万円を貯めるには何年かかる?
毎月の積立額 | 年利3% | 年利5% | 年利7% | 年利10% | 年利15% |
3万円 | 54年10ヶ月 | 41年7ヶ月 | 33年12ヶ月 | 27年2ヶ月 | 20年9ヶ月 |
5万円 | 41年10ヶ月 | 32年11ヶ月 | 27年7ヶ月 | 22年6ヶ月 | 17年6ヶ月 |
7万円 | 34年3ヶ月 | 27年8ヶ月 | 23年7ヶ月 | 19年6ヶ月 | 15年5ヶ月 |
10万円 | 27年1ヶ月 | 22年7ヶ月 | 19年7ヶ月 | 16年6ヶ月 | 13年4ヶ月 |
月額3万円の積立なら、年利10%でも目標の5000万円まで30年近くかかるとも言えますが、逆に言えば、年利7%~10%が計算できるとしたら、3万円~7万円の積み立ててでも20年~30年程度で何とか目標達成できそうです。
しかし20年以内に目標を達成したければ、年利7%なら月10万円以上、年利10%なら7万円以上の積立が必要です。
1億円の老後資金を積み立てるには?
次は1億円。これも5000万円と同条件でシミュレーションしてみました。
◎毎月の積立で1億円を貯めるには何年かかる?
毎月の積立額 | 年利3% | 年利5% | 年利7% | 年利10% | 年利15% |
3万円 | 74年7ヶ月 | 54年2ヶ月 | 43年3ヶ月 | 33年9ヶ月 | 25年3ヶ月 |
5万円 | 59年10ヶ月 | 44年10ヶ月 | 36年5ヶ月 | 28年11ヶ月 | 21年11ヶ月 |
7万円 | 50年9ヶ月 | 38年11ヶ月 | 32年1ヶ月 | 25年9ヶ月 | 19年9ヶ月 |
10万円 | 41年10ヶ月 | 32年11ヶ月 | 27年7ヶ月 | 22年6ヶ月 | 17年6ヶ月 |
さすがに1億円ともなると年利3%~5%ペースだと、10万円以上の積立以外はあまり現実的でないように思います。
しかし年利10%が維持できれば、3万円の積立でも何とか35年未満で1億円に届くので、20代前半からこつこつ積立やっていければ、老後資金1億円は準備できそうです。
30年以内での目標達成を目指すなら、年利7%でも10万円以上、年利10%なら最低でも5万円以上の積立が必要となります。
感想
「資産運用シミュレーション」関連の一連の記事は、私自身がやってみたいと思って実際に数値を打ち込みながら書きました。
適当に数値を入れて遊んでみるだけでもけっこう面白いと思うので(?)、是非積立投資に関心がある皆様は試してみていただければと思います。
で、感想としては、ちゃんと積立れば、5000万円以上の老後資金も20年ぐらいで用意できそうだなと思いました。
ただこのシミュレーションもここ数年の株の上昇基調をベースとした高年利の投資信託(=オルカンやS&P500などに連動するタイプの投信信託)がこのまま同じように好調を継続していくことを想定していますので、この前提が崩れた時はかなり違った結果にもなりうるというのは踏まえておく必要はありそうです。
そう考えると、株だけでなく債券やコモディティ、不動産も組み込んだ投資信託も合わせて積立投資の対象に組み込んだ上で、再度シミュレーションをやってみたいところです。
まあシミュレーションはともかく、実際個人的にはまだ新NISAで積立をスタートしてないというのもありますし、次は資産の組み合わせなんかが決まったら、また記事にしてみたいなと思います。