今回は『ギガ速FX 月の手取り439万円を獲得したゾーントレードの極意【完全無修正】』という本についてレビューしたいと思います。
この本、最初よくある(?)初心者向けのFXの独自手法解説本・・・かと思ったんですが、独自手法も紹介されているものの、シンプルなトレード手法の紹介というよりは、状況に応じて複数の根拠を重ねてどのようにトレードするのかを詳説した本で、豊富なチャート図解と勝ち組トレーダー(著者)の状況ごとの具体的なトレード手順が満載の本格的な裁量トレード解説本でした。
著者がどのようにして勝てるようになったかの経緯や基本用語の解説などの入門的な記述も含むものの、300頁以上あるボリュームの多くは、カスタマイズされたチャート図とそのチャートをどのように読み解いて、どのような流れでどのような根拠を持ってエントリーするかの解説に費やされ、これでもかというぐらいに豊富なトレード事例を学ぶことができます。
著者のリオンさんは本業は声優さんということですが、収入への不安からFXを始めたものの、一時は負け続けて拒食症で入院までしたとか。
しかしその後勝てるポイントの絞り込みを行って、通貨ペアを一つに絞ったり、エントリーは東京時間のみで売りだけにするなど、「しないことを決める」ことをやってからトレードが改善していったそうです。
だいたい負けてるトレーダーというのは、あれを試したりこれを付け加えたり、結構余計なことを足していった挙句に現状維持、つまりはそのまま負け続けるというパターンが多いのではないでしょうか(はい、私もそうでした・・・)。
その点、この負けてる中にも勝てているトレードに焦点を絞って、そこに特化したトレードに絞り込んでいくという作業というのは、勝ち組トレーダーを目指す上で重要なポイントの一つなのかなとも思いました。
その絞り込まれた手法についてですが、GBPAUDに特化した5分足チャートでの逆張りスキャルピング(※著者は「誰よりも早い順張り」という表現もされてます)で、東京時間でのショートエントリーのみというユニークなものなんですが、FXトレーダーなら誰でも一度は学ぶ水平線やトレンドライン、上位足含むMTFのMA、水平線、ヒゲ、ダブルトップなど、基本的な「アイテム」を使用しつつ、重要ライン間の「ゾーン」で複数の根拠を重ねてエントリーポイントを絞りこんでいくというものになっています。
スプレッドの広い通貨ペアということもあり、最初この条件で稼ぎ続けるのは難しいんじゃなかろうかとも思いましたが、いくつものチャート事例を示しながらの実践的で分かり易いトレード解説を読むうちに、なるほどこれなら実際に勝ち続けているんだろうなと納得させられました。
ただし、手法自体はオーソドックスでそれほど難しいというわけでもないんですが、一つ二つの条件が揃ったらエントリー・・・といった単純なものではなく、ある程度チャートの形に応じた臨機応変さも必要となるため、初心者でもすぐに真似できるというものではなく、実践の繰り返しによるチャート分析力が必要となるものかもしれません。
しかしこの本の豊富なチャート図解を用いながらの実践的かつ丁寧な解説を読み込めば、それだけでもトレードで勝つためにどのように根拠を重ねていけばいいのか、その流れがある程度わかってくるのではないでしょうか。
個人的には逆張りでのエントリーというのは苦手なんですが、勝ち続けるためにも是非習得したい技法だと思ってましたので、その点でも大変参考になる本でした。
ショート手法に興味がある方は勿論、裁量トレードでの勝ちトレーダーのトレード過程をトレースしたいという方にもお勧めできる本です。