今回の投資本レビューはプライスアクションとGMMA(複合型移動平均線)が両方学べるというお得なFX本『パターンを覚えるだけで勝率7割超! FXチャートの読み方 〜欧米投資家が好んで使うプライスアクションの教科書』を紹介します。
ちなみにプライスアクションは欧米のトレーダーも重視するロウソク足の形状からトレンドの方向やその転換点などを読み取る分析手法で、GMMAは12本のEMA(指数平滑移動平均線)からなるMT4搭載の移動平均線からも容易に作成が可能なインジケーターです。
著者はFX関連の様々なメディアで執筆やセミナー等をされている陳満咲杜氏です。
私はプライスアクション関連の本はいくつか読みましたが、この本はチャート図がカラーで見易く、具体的なチャート事例を交えながら詳細な解説がなされていて、一番分かりやすかったです。
またGMMAについても、陳氏独自の「鰯」「クジラ」「トビウオ」「キャシュロット」「鰯喰い」といった表現でトレンドの方向性やエントリーやトレンド転換のシグナルの解説がなされていて、FX初心者の方でもイメージしやすくなっています。
プライスアクションだけで勝ち続けることはなかなか難しいと思いますが、他のインジケーターと組み合わせることでトレードの精度が高まりますし、インジだけでトレードをしているという方にも、プライスアクションを学ぶことでトレードの幅が広がるでしょう。
そういう意味ではプライスアクションとGMMAを組み合わせた手法が詳しく解説されているこの本は、トレードの質を高め勝つためのヒントが詰まっているのではないかと思います。
GMMAはトレンドの方向性を見るだけでなくそれ自体エントリーシグナルにもなりますが、ここにプライスアクションによるサインが加わることで、サインはより強力になります。
この本では双方のサインを組み合わせての押し目買い、戻り売りの手法や、トレンド転換を察知する手法がチャートを踏まえながら丁寧に解説されており、実践的な内容になっています。
ちなみにこの本では日足メインによるロウソク足やGMMAの分析が想定されていますが、デイトレやスキャルなどの短い時間足を使った手法にも十分応用はできると思います。
ということでGMMAやプライスアクションに関心のある方は勿論、まだ自分の手法が確立していないという方や手法を改善したいという方にはけっこうヒントも多い本になっていると思います。
ただあくまでトレンド系インジのGMMAとプライスアクションに絞った解説になっていて、オシレータ系のインジや水平ライン等とのプライスアクションの組み合わせについてはあまり触れられていません。
私自身もオシレータ系インジや水平ラインとプライスアクションを組み合わせたトレードをやることが多いのですが、そこらへんを知りたいという場合はまた別の書物や商材から学ぶ必要があるでしょう。
しかし薄くて比較的手軽に読める本ですので、まだGMMAやプライスアクションを学んでいないという方には良き入門書になるはずです。
「勝率7割超!」の手法が身につくかどうかは別として、まだ自分の手法が確立していないという方やなかなか勝てていないという方には示唆に富む本ではないかと思います。
ちなみにこの本は私の裁量トレードを変えてくれた本でもあるし、オリジナルのEA・ChallengeScalMorningシリーズを開発する際にも大いにヒントを与えてくれた本でもあります。
そういう意味では出会って良かったと思えるFX本の一冊です。